防衛機制⑤

               

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防衛機制⑤

2020年04月06日
「職場のメンタルヘルス」P94

I.転換(コンバージョン)
医学的原因の見当たらない多彩な体の症状
(立てない・歩けない・声が出ない・ものが飲み込めない・吐く・手がしびれる・気を失う・けいれんする、その他)
を無意識のうちに呈することで、
結局は他の人からの援助を得たり、
嫌なことから逃れたりすることをいう。
「体で悩む・体で自己表現する」タイプの自己防衛である。

“転換”症状を起こす人には、適切な社会的体験とフィードバックを通じて人格の成長を促し、
未熟さから卒業させるための行動療法的対応が大切である。
この状態を呈する人は、「わざとらしい」として周囲の鼻つまみ者になって行きやすい。
しかし、“転換”症状と詐病(意識的な仮病)とは区別しなければならない。

J.投影(プロジェクション)
正当な理由なく、
自分の未熟性が主な原因となって「あいつを攻撃したい」と感じているときには、
次のように考えればよい。
「あいつが自分を攻撃しようとしている。だから、おれもあいつに反撃しなければならない」と思えば、
後ろめいたさは感じなくてすむ。
自分の本能や情動を自分の中にとどめておくことが不快なときには、
その本能や情動・情緒・衝動や考え方を相手のものとしてしまうことを“投影”という。
他人を非難するときには、たいてい自分自身にもそのような非難されるものを持っているものである。

(出典) AMERICAN PSYCHIATRIC ASSOCIATION : Quick Reference to the DIAGNOSTIC CRITERIA from DSM-Ⅳ,1994 : 高橋三郎・大野裕・柴矢俊幸・共訳: DSM-Ⅲ 職場のメンタルヘルス, 89~190頁, 医学書院, 1995より, 著者一部改変.
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