病名と患者の権利

               

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病名と患者の権利

2020年04月06日
「精神疾患の分類と診断の手引」P167

精神障害に対する偏見は現在でも非常に強いものがある。
その結果、患者の権利を守るために、例えば「統合失調症」の病名を書かない医師はまだまだ多い。
事実に反した病名のために事業場で遂行可能と判断された業務で、重大な事故が起こった場合、診断書を書いた医師は責任を問われる。

本当の病名を書いて、かつ職場に受け入れられる体制を作ることができるか否かは産業医自身の精神科医療に対する理解の深さと、
職場に対する教育の浸透の程度による。
また職場において、本人の状態に応じた職務を用意できるかどうかにもよる。
完全寛解の場合には職業上は問題がないと考えてよい。

(出典) AMERICAN PSYCHIATRIC ASSOCIATION : Quick Reference to the DIAGNOSTIC CRITERIA from DSM-Ⅳ,1994 : 高橋三郎・大野裕・柴矢俊幸・共訳: DSM-Ⅳ 精神疾患の分類と診断の手引, 223~224頁, 医学書院, 1995より, 著者一部改変.
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