過労にならないために

               

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過労にならないために

2020年08月05日

「職場のメンタルヘルス」P101

 

長時間労働、不規則労働、ストレスに関連する職業関連疾患として、いわゆる『過労死』が取り上げられています。

 

“つかれ”の4段階についてはこの前のブログで説明しました。

『過労』はそれぞれの段階について発生しますが、慢性疲労に続いての過労が特に問題となります。

『過労』では、作業速度の低下・休息所要時間の急増がみられますが、事故・ミスの増加によって事故を起こす大きなきっかけともなってしまいます。著しい疲労感・息切れ・冷汗、頭痛・腹痛その他の身体の痛みなどが起こってきます。

 

こころの症状としては、作業継続に伴う苦痛・イライラ・易怒的・攻撃的など、情動の不安定が生まれてきます。作業意欲は衰退し、万事消極的となって職場の人間関係が悪くなったり、個人生活では家庭不和の原因となったりします。

 

『過労』が極端となると、”自分の実感がうすれ”て、目に見えない透明な袋に入って周囲の現実から隔てられているような感じで、周囲の出来事が他人事のように感じられ、ものを触っても直にこの手で触っているのではなく、見えない手袋をして触っているかのような感じがしてきます。このような状態を専門的には” 離人感”と言いますが、 離人感は、いつもなら考えられないような行動による大きな事故を起こすきっかけともなります。

 

『過労』になる前の段階で引き返す事が必要です。疲労の4段階、特に慢性疲労の症状を心に留めて、それに気づいたらとにかく自分を休ませてください。自分で休む工夫をしても休めないのなら、周囲が納得せざるを得ない言訳でも、休むために使えるものは何でも使って自分を休ませて下さい。それでもだめならかかりつけの先生に診断書をお願いして下さい。

ほかの人に「自分の代わりに休息を取ってくれ!」などと言っても無駄です。「自分」が休んでください。

 

(参考)

1)小木和孝、労働負担と疲労、現代労働衛生ハンドブック、(財)労働科学研究所、1988

2)粟野菊雄、職場のメンタルヘルスノート、医歯薬出版、1995

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