認知症には次のような症状があります
[ものごとを認識する働きの障害]
- 出来事の存在自体を忘れる(異常な物忘れ)
- ここはどこで、今がいつかわからない(場所や時間の見当識障害)
- 言われていることが理解できない。言いたいことがうまく伝えられない(言語障害失語症)
[精神症状、情緒・行動の異常]
- 自分が無くした物を誰かが盗ったという(物盗られ妄想)
- 自宅にいるのに自宅ではないという(誤認妄想)
- そこにいない人がみえる(幻視)
- 気分が滅入って悲観的になる、怒りっぽい、イライラしやすい、不安がる(人格の変化)
- ゴミをあたりかまわず捨てたり、他人のものを勝手に使ったりする(反社会的行動)
[体の動きをつかさどる神経の症状](病気の種類によっては見られないことも多い)
- 麻痺
- 感覚障害
- おしっこや大便をもらす
- 歩きにくい
- 手足がふるえる
- バランスがとりにくく転倒しやすい
脳の神経細胞が損われると、思考・判断・記憶・創造・感情・意欲といった人間らしさが少しずつ失われていきます。自立して日常生活を送ることが出来ないくらい症状が重くなった状態を「認知症」といいます。
認知症は、個人にとっても、周囲の家族にとってもしんどい状況をもたらします。家族のひとりが認知症になったとき、その事実を受け入れることは、残りの家族にとってつらい作業となります。
認知症についての知識
認知症を引き起こす原因となる病気には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、血管性認知症、外傷による脳損傷、脳腫瘍などさまざまなものがあります。見逃してならないのは、正常圧水頭症です。この病気は、認知症とそっくりな症状を示しますが、早期に対応すれば認知症症状が治ります。
治療とその効果
治療には、適確な診断がされていることが大切です。特に認知症では原因となっている病気によって治療法は違ってきますので、脳の画像検査(CT、MRI、MRA、SPECT)や機能検査(脳波)などが必要となります。
- 原因となる病気には、
- (1)予防出来るもの
- (2)治療が可能なもの
- (3)現在の医学では治療が困難なもの
- などがあります。
周囲の人の対応
認知症は病気ですが、早期診断と早期治療が有効な場合も少なくありません。年のせいだと考える前に専門医に受診してください。認知症の人はまわりの人、家族にとっても大きな負担となりますが、「こんな変なこと、恥ずかしいこと」と考えずにご相談ください。本人の受診が難しい場合は、家族の方のみのご相談でも受けてもらえるはずです。
認知症チェック表(ミニメンタルテスト)各
= 1点 (20点以下のときには一度専門医にご相談ください)
1.
- 今年は何年ですか。
- 今の季節は何ですか。
- きょうは何月ですか。
- きょうは何日ですか。
- きょうは何曜日ですか。
- ここは何県ですか。
2.
- ここは何市ですか。
- ここは何病院ですか。
- ここは何階ですか。
- ここは何地方ですか。
3.
チェックする人が互いに関係のない物の名前を1秒に1つずつ言い、
認知症を疑われている人にくり返してもらう(間違いがあれば6回までくり返す)。
![]()
4.
- 100 - 7 =
- (100 - 7) - 7 =
- 更に7を引く
- 更に7を引く
- 更に7を引く
5.
3で示された 物の名前を復唱してもらう
![]()
6.
- これ(時計を示して)は何ですか。
- これ(鉛筆を示して)は何ですか。
7.
- 次の文章を繰り返す。
- 「みんなで、力を合わせて綱を引きます」
8.
- (3段階の命令 紙を渡して)
- 「右手にこの紙を持ってください」
- 「それを半分に折り畳んでください」
- 「机の上に置いてください」
9.
- 次の文章を読んで、その指示に従ってください。
- 「目を閉じなさい」
10.
- 何か文章を書いてください。(自発的で意味のあるものなら、多少不正確でも正解)
11.
- この図形を見ながら描いてください。



